「満天のゴール」読んだ感想&名言
こんにちは!ギタライダーです!花粉症がひどくて鼻ズビズビな日々送ってます!さて、先日どうしてもしっとりした気分になりたくてこの小説買いました!

藤岡陽子さん作の「満天のゴール」です。帯とキャッチコピーでやられました!だってキャッチコピーこれだよ?

死生観が題材の本作、読み終わっての感想は「切なさと妙な明るさが続く物語。自分だったらどんな最期を迎えたいのかを考える機会になった」でした!
ではあらすじと感想をば!!
あらすじ
シングルマザーの奈緒が主人公。舞台は京都の丹後半島、伊根町。夫に浮気された奈緒が息子の涼介を連れて実家の丹後に帰るところから物語がはじまる

東京に帰らないと決意した奈緒は総合病院の看護師として働くことになり、医師の三上と共に医療過疎地域の伊根町で奮闘していく
癌を患っても在宅医療で元気に過ごすおじいさんのトクさん、生きることに希望を持てず人生を終えたいと願うおばあさんの早川、寝る間も惜しんで丹後半島の医療にあたる三上
さまざまな死生観をもつ登場人物とそんな人々に向き合う奈緒が変わっていく姿が描かれています

感想&名セリフ
最後の瞬間まで輝こうというメッセージ
この物語全体を通して感じたのは「人生最期の瞬間まで輝いて生きよう」というメッセージです。
まずトクさん。彼は80歳を超えた男性でガンをわずらいながらも延命治療は望まず、在宅医療を選び、山奥で一人暮らしをしている。彼は自分の命の最後の日を「ゴオル」と呼んで、受け入れている
作中に主治医の三上が診察でトクさんを訪問するたびにトクさんに星のシールを渡している描写がある。星のシールはトクさんが頑張った分だけ三上が渡しているもの。トクさんにとっては「ゴオル」を目指して頑張っている証でもあります

トクさんはふさぎ込むでもなく、訪問看護の看護師や医師の三上と話す時間や孫にメールを送るのを楽しみにしていたりとかなりポジティブ。
重い病気のはずなのにふさぎ込むでもなく楽しみをつくりながら毎日を過ごす。トクさんの暮らしぶりから最後まで楽しくいきるというメッセージが伝わってきます
延命治療を望まない親と遺族のすれ違い
親が亡くなったのは病状を放置していた病院のせいだと詰め寄る遺族のシーンは印象的でした。これは亡くなった親自身は延命治療を拒否していたのですが、遺族が親の意思を汲み取っていなかったというシーンです

看護師が「年に1,2回顔見せしただけで親孝行した気になってなんもしていない、それやったら自分で手厚く面倒見たらええねん」と吐き捨てるんですがまさにそのとおりだなと
ほんとうに心配で気がかりならもっと親とも連絡を取り合い、顔を見せるなり介護施設に入れるなり取れる手段はいくらでもあるだろう、と筆者は言っているんだと思いました
本作の筆者は現役の看護師ですからおそらく同じようなことをいう家族をたくさん見てきているのだと思います
僕の親はまだ病気で亡くなるような年にはなっていないものの、どういう最期を迎えたいのか、時期が来たらしっかり話し合っておかないといけないなと感じました
子としては少しでも長生きしてほしいですけどね
救われたいなら救いなさい
最初読んだときはどういうこっちゃ?と思ってましたが作品を読んだあとだとしっくりきます。これは奈緒の変化でよく表されていると思いました
主人公の奈緒は序盤では自己中心的な性格をしています。非常識な行動の描写もあり、読んでいて嫌悪感を覚えたくらいです(笑)。浮気されたのは奈緒にも原因があったんじゃないか?と思うくらいに
そんな奈緒も息子に支えられ、早川や三上と過ごすうちにだんだんと他人のために何かをするという風に性格が変わっていきます。他人に求めてばかりだった性格はどこ行ったのかと(笑)

物語の舞台でもある伊根町は医療過疎地域。医療を支えるにはひとりひとりの能力が重要になってくる。奈緒自身も自分にできることから少しずつやって救う側へと軸が移っていく
人は人とのつながりのなかで生きている。救われたいならまず求めるのではなく救う側として人の力になりなさい、そうすれば救われる側にもなるのだから。
この物語にはそんな意味も込められているのだと感じました
「不安は不透明なところから膨らんでいく」
作中に登場したさりげない言葉ですがかなり刺さる言葉でした!!
これは高齢者ばかりの集落で「自分がどんな最期を迎えたいのか集会を開いている」という三上から出たセリフです

死が近づくのはどういう状態なのか?どういう風になっていくのか?それを知っているだけでも死への不安は目減りするんじゃないか?という考えから集会を開いた三上
これは死に対してだけでなくともいろんなことに当てはまると感じました。不安ってよくわからない、よく見えない、得体が知れない。そんなとこから来ている場合がほとんど
ぼくらが日常生活でなんかよくわからないけど不安だな…って感じることも調べたら大したことないじゃんってことも結構ありますよね。死への不安も同じなんだろうと思う
「人の生きざまは死にざまに反映される」
どういう人生を歩んできたのか、どんな人だったのか、どういう最期を迎えたのか

「満天のゴール」では最期を迎える登場人物はさまざまなかたちで亡くなります。満ち足りて穏やかに亡くなる方もいれば、親の最後の迎え方を子が理解していない、さまざまなケースが描写されています
自分が人生最期の瞬間を迎えるなんて想像もつきませんが最後は周りが笑って送り出してくれるような人生に、そして周りに禍根を残すような最後だけは迎えたくないなと感じました
さいごに
今回は初めて小説の紹介に挑戦してみました。1冊目がなかなか重苦しい内容になってしまいました
けれどいずれ向き合わなきゃいけないことが取り上げられている小説でもあります。僕はこの小説を読んでもし興味を持たれた方はぜひぜひ読んでみてください!
↓よければ他の記事もどうぞ!
